2013年4月12日金曜日

ルーベンスとフランダースの犬

ルーベンスの原画が見られる展覧会が、まもなく北九州市立美術館ではじまります。
美術にはまったく不案内なわたしのことですから、
ルーベンスについての知識はほとんどないのですが、
「フランダースの犬」のテレビアニメは、昔よく見たものです。
主人公のネロがあこがれたのが、バロック絵画の巨匠ルーベンスでした。
この絵は、フランダースの犬がアニメ化されるよりも
さらに20年以上前に書かれた古い紙芝居の中のルーベンスです。

 
 神戸で画家をしていたという健軍教会の会員さんのお父さまが、
当時自分たち父子が通っていた神戸東ルーテル教会の
子どもたちのために書かれたものです。
ところが画家だったお父さんは、
この紙芝居を描いたわずか4ヶ月後に病気で天へと召されます。
ネロと同じく両親を失ってしまった子どもたちは、
それをきっかけに、故郷の神戸を離れて、
熊本に移り住むことになったのでした。
そして60年の後、昨秋のことです。
行方不明だったこの紙芝居が、ひょんなことから再発見され、
健軍教会の会員さんのもとへ届けられたのでした。
 
 
この紙芝居をめぐる数奇な物語は、
健軍教会の月報「新生」2012年11月号に記されています。
この父子については、お父さんの聖書をめぐる物語もあるのですが、
そちらもまた、機会があれば紹介したいと思います。
 
ちなみに、これが物語の中でネロが「死んでも見たい」、と願った
ルーベンスの「キリストの降架」です。
本物はベルギーはアントワープの大聖堂の祭壇画だそうですが、
北九州には、この図の版画がやってくるそうです。