2016年12月17日土曜日

健軍情報103-西原村のクリスマスに

西原村の小森仮設団地には、
広い西原村のあちこちで被災された方々が315世帯、
肩を寄せ合うようにして暮らしておられる。
 同じ規格のプレハブが立ち並ぶ、この殺風景な仮設団地の各ご家庭に、
少しでも温かいクリスマスの香りを届けたい、という
とあるボランティアさんの呼びかけに応じ、健軍教会でも
8人の会員さんが、315世帯のうちの26世帯に
心のこもったクリスマスカードを準備してくださった。
印刷された"マス"対象の手紙ではなく、
相手の名前は分からなくても、プライベイトな、
手書きのカードが送りたい、という依頼に、
教会員さん方が応えて下さったのだ。
(各地からのカードで315世帯分が確保されたそうです)
すると、女性会の有志の方々が、せっかくなので、
カードだけでなく、ささやかでもクリスマスプレゼントを、
ということで、315世帯全部に小さな靴下を縫って下さり、
それにクリスマスのキャンディーを詰めたプレゼントを作ってくださった。
 昨日、託されたそのプレゼントを、西原村の仮設団地に届けてきた。
(実は、半分だけを車に積んで出かけてしまい、
後でもういっかい残りを届けることになる、という失態付)
受け取ってくださったのは、同仮設団地にお住まいのHさん。
これを、日曜日に下関の劇団の子どもたちが、
一軒一軒お宅を訪問して届けて廻ってくださるのだという。
うちからのプレゼントの他にも、小さなかわいい手作りリボンのついた
クッキーの包みも用意されていた。
それで、プレゼントを届けに行っただけなのだけれど、
上がり込んで、ついつい話し込んでいたら、Hさんのお母さまが、
のっぺじるとお漬け物を出してくださる。
なんだか母の味で、ほっこりするひとときでした。
Hさんによれば、かつての集落にお住まいだったみなさん
これからのことについて、どうすべきなのか、それぞれ迷いの中にあるという。
全壊になってしまったHさんのお宅も、山あいの集落なので、
地震で緩んでしまった地盤が崩落する危険がある。
集団移転をすすめようという話もあるが、
そうすると、新たな土地を買い取って、そこに家を建てることになる。
もとの土地が売れるわけではないので、土地と家との二重の出費になる。
本当なら、もとの土地に戻って家を建てたいところだけれど、
かといって、だれも「大丈夫だ」とは保証してくれないし、
行政が区画の整備をしてくれなければ、
自分の家だけ建てても生活は困難だ。
というわけで、国交省との話し合いも3度に及ぶが、
来るたびに違う話が出てくるし、
みなさん先の見通しが立たずに、どうしたものか、ともやもやしたまんま。

7月に阿蘇を回った折に、いち早く家屋の解体が進められていた
西原の山あいの集落の様子がありありと思い起こされる。
そんなこんなで、熊本では
みんなもやもやしたまま、年が暮れていくのだ。
せめてクリスマスが、おひとりおひとりにとって
希望をはぐくむ時となるように、
と、祈るばかりである。


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