2016年10月6日木曜日

健軍情報94-公費解体

今回の台風の被害の大きかった地域の方々には
早期の立ち直りをお祈りする思いだが、
今回も熊本直撃を回避してくれたので本当にほっとしている。
9月 益城町惣領
益城町では、倒壊しかかった家屋がそのまま晒されているし、
倒壊してしまった家屋のガレキが、
家が建っていたそのままの場所で、山になっている。
それてそれらは、当分そのままそこにある他ない、
いわば家の亡骸たちだ。
9月 益城町津森
何十年にもわたって家族の生活を支えてきた愛着のある家屋が、
葬られることのないままに、亡骸をさらしている。
もし、台風がほんとうに熊本を直撃したなら、
その家の亡骸たちが、今度は凶器となって町中に飛散したに違いない。
そんなことが容易に想像されるのだが、
誰も声高に云わないのは、それがどうしようもないことだからだろうか。
台風がそれてくれるようにと、祈る以外に手がないからか。
 
ここのところブログを更新する余裕がなかったので、
少し前の記事の紹介になってしまって恐縮だが、
熊本地震の損壊した住宅の解体を行政に依頼する、
いわゆる「公費解体」の申請は、
受け付けたものだけで県内18000棟であり、
そのうち解体が終わったのは、2割にも満たないという。
9月23日 クマニチ
この進捗率は県内全域のものだが、
益城町ではわずか3.9%!
どうりで益城の様子は半年前のまんまなはずだ。
 
ちなみに、解体がすんで更地が増えつつあると感じられる
熊本市内で14.2%。
昨日からライトハウスの裏手で解体工事にかかっていた業者さんの話によると、
3ヶ月先までは仕事が埋まっているという。
今朝 ライトハウスの裏手
台風の間隙を縫っての出張帰り、飛行機から眺めた様子では、
まだまだブルーシートだらけの地域も多かったので、
台風がそれて胸をなで下ろした方々も多かったに違いない。
教会員さんが頼んだ屋根の修理、先日ようやく順番が回ってきたのだが、
来てくれたのは、佐賀県の屋根屋さんだったという。
佐賀から出張してでてくるのだから、支払い費用が、
相場よりふくらんでしまうのも無理はない。
昨夕 熊本市東区上空  拡大表示するとブルーシートが
解体がなかなか進まないのは、業者さんがつかまらないのと同時に、
震災がれきの処分場のキャパシティが足りていないからだ。
これから県内で3万棟の家屋が解体されていく。
行政が見込む解体の終了は、2018年の春。
それまで、益城の子どもたちも大人たちも
自分たちの家屋の骸と向き合い続けるほかはない。
 
なんともしんどいことだ。

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