2016年6月25日土曜日

健軍情報73-やりきれなさ

いや、自分の話ではないのです。
それでも、想像するだにやりきれなさを感じるのです。
熊本は、連日豪雨に見舞われている。
 今回の震災で、多くの方々が我が家を失い、
また住んでいる家に大きな損傷を受けました。
東京に出張する度に上空から、
ブルーシートだらけの屋根の波に哀しみを感じ、
それでも、シートが張られていると云うことは、
住むべき家が残されたという意味であることも思います。
ひとつの屋根の下に、ひとつの家族の物語がある。
確かに住む家が残されている人は幸いです。
けれども、今回の豪雨では、
ブルーシートを突き抜けて2階の部屋の中を川が流れた、
というほどの雨漏り!? を経験した会員さんもおられます。
 
熊本では、絶望的に瓦がなく、
屋根職人さんがおらず、
屋根の修理は半年待ち、1年待ち、と云われています。
河川の土手が崩落しているのも日常風景
素人が屋根に登ってブルーシートを張り、
土嚢に土を詰めて押さえに使っていますが、
本格的な暴風雨に遭えば、ひとたまりもありません。
直射日光に晒されるブルーシートの防水性には疑問があり、
耐久性は、もって1ヶ月だといわれます。
それでも、ブルーシートに頼るほかに手はありません。
 
先日のボランティアで伺った避難者さんのお宅でも、
シートが張られているにもかかわらず、
壊れた屋根から漏った雨が天井からしたたり落ち、
壁づたいに水たまりをつくり、部屋の畳がグズグズになっていきます。
仕方がないから、家の中に洗面器をおいたり、ブルーシートを張って
家財を雨漏りから守ります。
住み手を失った家にはシート張られない。

すると間もなく天井が落ち 屋根のすき間からは空が見える

そして、容易に想像できることは、
この湿っぽい梅雨空の中で、
そのうちすぐに、家中に黴がはびこってくる、ということです。
相手が浴室の黴であるなら闘いようもありますが、
家中にはびこる黴とは、どうやって闘うのでしょうか。
 
さらなる暗い見通しは、台風シーズンです。
もはや素人仕事のブルーシートがかなう相手ではありません。
 
「考えてもしょんなかたい」、
とみなさんおっしゃいますが、
その表情は明るくはありません。

その打つ手のなさに、
やりきれなさを感じるのです。

 

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